ここまで違う?アメリカと日本の就職活動の大きな違いとは

2020.12.22イノベーションジム事務局
#デザイン思考 #イノベーション #キャリア #Society5.0

アメリカと日本の就職活動は異なる点が多い


日本の大学生のほとんどが経験するであろう就職活動ですが、アメリカと日本の就職活動には異なる点が多く存在します。一体どんなところが違うのか、日本と比較しながらご紹介していきます。

アメリカは通年採用で、「新卒枠」が存在しない


日本の大学生の多くは、3年生の中頃から就職活動を開始します。企業側も新卒採用枠を設定し、毎年一定人数の新入社員を迎えるところが多いですね。
しかしながらアメリカの大学生は、在学中に就活をする人がほとんどいないのです。在学中は勉学に専念し、卒業してからどの企業に就職するかを決めるスタイルが一般的です。そのため企業側も新卒のみを対象とした採用枠をもうけることはありません。
日本は新卒枠が存在することで就職活動の時期が大まかに決まっています。業種や会社によっては早期選考など3年生の夏頃から本選考を行う企業などがありますが、大半は3年生の夏秋にインターンが実施され、4年生の6月頃が各社面接のピークです。一方のアメリカでは、大学生共通の就職活動の時期が存在せず、個々人が働きたいと思ったタイミングで就職活動を行うことから、企業の採用も通年で行われています。

日本よりも学歴・成果重視


アメリカはどの大学を卒業したのか、どの学部で何を学んできたのかが非常に重視されます。企業によっては、一定のトップ校からしか採用しないケースもあるほどです。偏差値の高い大学や大学院に進学していること、すぐに能力が判断できる資格を持っていることで採用の可能性がぐっと上がるのです。一方で日本では、学歴や資格が採用に有利に働くケースも確かにあるものの、基本的にはエントリーシートや面接の中で志望動機やパーソナリティ、その会社でどんなことをやってみたいかなどが重視されますね。
この違いの原因は、日本はポテンシャル採用(入社後の成長に期待して、今の段階でできることという現在のスキルよりも、将来的に発揮されるであろう潜在的能力を重視する選考方法)であるのに対しアメリカは入社後すぐに戦力になる人材を求めていることにあります。

インターンで実務経験を積むことが必須


日本の大学生は3年生の夏・冬の長期休暇などに短期のインターンシップに参加することが多いかと思います。企業が採用活動の一環として実施するインターンシップは短いもので1日、長くても5日程度のもので、実際に働くというよりも企業理解を目的としていて説明会やワーク、座談会などが行われます。
対してアメリカでは、実力重視で即戦力を求めていることからもわかるように、インターンシップで実務経験を積むことが非常に大切な意味を持ちます。そこでアメリカのインターンシップは長期で会社の内部に入り、実際に働くことを通して実務経験を積むことになります。日本でも長期インターンシップをしている学生は徐々に増えてきていますが、ほぼ全ての学生が長期インターンシップに参加するアメリカと比較すると、まだその割合は低いと言えそうです。

ポジション別に採用


日本の新卒採用では、総合職/一般職といったように大きな括りで採用する企業が多いですが、アメリカでは細かく部署や職種に分けて採用されます。即戦力として、入社してからすぐに活躍してもらえる人材を採用するために、部署ごとに必要なスキルや資格が細かく決められています。

人脈作りがカギ


アメリカでは、”It’s all about who you know in the field”(仕事では人脈や人間関係が大切)という言葉もあるほど、ビジネス全般においてネットワーキング(人脈作り)が不可欠です。求人の7割が公募されることなく、人脈を通じて口コミで紹介してもらうなどの方法で採用するといいます。業績や業界の人脈ができているであろう中途採用の人材はもちろんのこと、アメリカでは新卒であっても希望する業界や分野の人とは、日頃から様々な場面でつながりを作っておくことが求められています。

最後に


同じ就職活動といっても、日本とアメリカではその制度に大きな違いがありました。日本の大学生は多くが同じ時期に同じスタートラインから(もちろん人によって学んできたこと、経験してきたことは違うため正確には同じではありませんが)就職活動を始める一方で、アメリカは人脈や実務経験などそれぞれが違うものを持っていて、個々人の判断で就職活動を始めるという点で日本よりもサードドア的であると言えそうです。

(サードドア:アレックス・バヤナン著『サードドア 精神的資産の増やし方』に記載されている、夢や成功を成し遂げるためのショートカットとなる行動のこと。
本の中でサードドアは、

『ファーストドア:
正面入り口だ。長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか
気をもみながら、99%の人がそこに並ぶ。

セカンドドア:
VIP専用入口だ。
億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが
利用できる。

それから、いつだってそこにあるのに、
誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。
行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、何百回もノックして
窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先にーー
必ずある。』

と表現されています。)

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