- サッポロビール株式会社
サッポロホールディングスでは2019年にグループとして初のビジネスコンテストを開催し、社員のアイデアを活かした新規事業を生み出す機会を設けました。本コンテスト内で事業化挑戦権を獲得した保坂将志さんが、ビジネスコンテスト挑戦の背景や、サッポロビールで働くことの魅力について語ります。
――サッポロビールに就職を決めた理由を教えてください。
「人に魅力を感じた」からです。就職活動の一環としてサッポロビールの社員とお酒を交わす機会があったのですが、「おいしいんだけど、売れないんだよなぁ」と話していた姿が印象的でした。
同業界の競合比較を通じて自社をアピールする会社が多い中、サッポロビールの社員は自分たちの作るものを愛し、自分たちの言葉で語っていました。ものづくりの根幹である商品への強い想いを感じ、入社を決めました。
――入社後はどのようなお仕事をしていましたか?
入社直後は静岡工場のパッケージング部で、醸造したビールを缶などの容器に充填し、お客様が手にするかたちまで仕上げるプロセスに携わりました。学生時代の専門分野と全く異なる分野であり、正直不安もありましたが、やってみたら自分に合っていました。醸造はおいしさを追求する哲学的な仕事とも言えるのですが、パッケージングは定量的に管理でき、ロジカルな改善を重ねられます。この明確さが好きでした。
その後は本社の製造部にて、各工場の生産プロセスを統括する仕事をしていました。より全体的な視点で生産現場を考える視座を養えたと思います。そして2020年4月にサッポロホールディングス社の経営企画部に新設された新規事業準備室へと異動して、現在に至ります。
――ビジネスコンテストへの参加が、新規事業に携わるきっかけになったのですね。
会社の将来性について考える機会の多い立場になったことと、自身のキャリアについて振り返るタイミングだったことがコンテスト参加の理由です。パッケージングという専門分野のみに目を向けたままで良いのか悩んでいたので、このビジネスコンテストを機に別の視点から事業を考えてみようと応募しました。
――コンテストに挑戦した事業アイデアを教えてください。
各家庭の食材から現在作れるレシピを提案する食材在庫管理アプリを提案しました。本コンテストは、社員2名とスタートアップ企業1名でチームを組んで挑戦するルールがあります。私が組んだチームメンバーの共通課題は、小さな子どもがおり、妻に家事や子育ての負担が大きくかかっていることでした。そこで家事負担を軽減できるサービスを検討した結果、料理に着目し、レシピを考える時間やリソースを効果的に削減できるアプリのアイデアが生まれました。
――どのようなステップを踏んで事業を形にしていきましたか?
まずは自分たちの妻へのヒアリングを重ね、ターゲットが求めるサービスに近づけるためトライアンドエラーを続けました。2019年のはじめにはアイデアがありましたが、その後5カ月間はプロトタイプのブラッシュアップを重ねていました。
――特にどのような点に注力しましたか?
ターゲットのペインを明確にすることです。成功する事業とは、ターゲットの課題を的確にとらえ、解決するものだと思っています。ですので、私たちは延べ80名のターゲット層に対してインタビューを実施し、家事や料理についての課題を突き詰めてきました。頭で考えるだけではなく、第三者の声に耳を傾けながら事業の精度を高めていくことが大切です。
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――あえて大手企業のなかで新規事業にチャレンジするメリットは何でしょうか?
資金やマンパワー的な面では、かなりの好条件下で事業を育てられることです。もちろん自社の意図を汲むための制約や社内コンセンサスを得るための苦労もありますが、逆にそこさえクリアしてしまえば非常にやりやすい環境だと思います。
――サッポロビールは、挑戦したい人にとってどんな企業でしょうか?
サッポロビールはモノ造への愛がある、「まじめ」な企業です。お客様においしいものを届けるという目標が明確で、働き甲斐もあります。
また、新しい挑戦に積極的であることも特徴の一つです。今回のビジネスコンテストに限らず、挑戦したい人が活躍する機会は多いほうだと思います。一方で、長期的な視点で新たな事業を育て、リソースを投資する実績はまだ少ない企業でもあります。その実績となるような挑戦を経て、社員自身が事業を切り拓くことが望まれています。
――これから社会人になる学生たちにメッセージをお願いします。
就職活動であれビジネスであれ、全く何も無い所から何かを生み出すことはありません。これまで感じてきたあらゆる情報や経験を組み合わせたり、アレンジしたりして自分のアイデアや行動は育っていきます。したがって学生時代にたくさんインプットすること、五感を使って体験することが、将来をより豊かにすると思います
そして社会人になったら、まずは周囲の信頼を得るところから始めてください。はじめからやりたいことをできる人は少ないものです。目前にある仕事に真剣に向き合い、信頼を積み重ねていけば、やりたいことへと近づいていくはずです。
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