企業理念「三方よし」による持続的成長を目指して

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事では本業を通じてSDGs達成に貢献することを目指しています。
本ページでは実際のビジネスを例に挙げて、当社のSDGs達成に向けた取り組みをご紹介致します。

Our Challenge for SDGs

環境に、社会に価値を生み出す事業の創出 —持続可能な成長を目指して—

持続可能な成長のためには企業経営にSDGsを取り込み、地球環境や社会課題の解決にもつながる事業を生み出していくことが重要です。その拠り所となるのは、現代のSDGsやESGにも通じる、初代伊藤忠兵衛の言葉を起源とする当社の経営理念「三方よし」です。「売手よし」「買手よし」そして「世間よし」には、まさに社会や環境がよりよくなる事業を推進していく思いが込められています。
このセルビアでの廃棄物管理事業は、SDGsの以下6目標達成にも寄与する、まさに持続可能な成長に資する本業を通じた取組みになります。

巨大なゴミの山からドナウ川を救え!

ヨーロッパ最古の都市とも言われるセルビア共和国の首都ベオグラードは、人口170万人が暮らす緑あふれる美しい街です。しかしその美しい街の中心からわずかに離れた場所で、同国のみならず地域にとって深刻な問題が急速に進行していました。

ベオグラードでは家庭や商業施設から出る一般廃棄物はそのまま回収され、その全てを街の中心から約12kmしか離れていない、Vinča(ヴィンチャ)廃棄物埋立場へ運搬、未処理で埋め立てています。1977年以来、40年以上にわたり首都の家庭・商業廃棄物を受け入れ続けている”巨大なゴミの山”は、国際河川ドナウ川のそばに位置し、都市化に伴う廃棄物量の増加もあり近年急速に膨張、さらにその山が雪崩をおこしドナウ川へ向かって崩れ出し始めているのです。長年積み上げられた廃棄物からは温室効果の高いメタンガスが発生し、大規模な火災を度々引き起こしたり、廃棄物から流れ出る汚染水はそのままドナウ川へ流れ込んでしまったりと、美しい街や川の環境を脅かしているのです。

これらの問題を解決するため、セルビア政府と伊藤忠商事含むパートナー企業が立ち上がりました。

セルビア政府、国際パートナーと共に問題の解決へ

セルビア政府およびベオグラード市は、世界銀行グループである国際金融公社(IFC)をアドバイザーとして起用、効率的且つ市財政への負担が低い解決策である官民連携のスキームを導入する事を決定しました。国際競争入札を経て2017年に伊藤忠商事と仏SUEZ社、欧州の投資ファンドであるマルガリータファンドで組むコンソーシアムが事業を受注し事業会社を設立、2019年9月にはIFC、欧州復興開発銀行(EBRD)、オーストリア開発銀行(OeEB)からなる国際銀行団から290百万ユーロに及ぶプロジェクトファイナンス融資を調達しました。
現在、廃棄物処理管理施設(管理型廃棄物埋立場、廃棄物処理発電施設、メタンガス発電施設、建設廃材処理施設、および汚染水浄化処理施設を含む)の建設を進めており、完工後25年に渡り事業の運営を行います。

本事業により、現在のゴミの山は適切に処理がなされて緑地へと転換されます。これまで環境を破壊してきたメタンガスは回収され、廃棄物と共に発電・発熱の為のエネルギーとして活用、埋め立てられる廃棄物量は大幅に削減されると共に、ベオグラード市3万世帯相当の電力を供給し、冬場には熱供給も行うことができます。25年間で、化石燃料に頼らないクリーン発電としてCO2約400万トンに加え、埋立廃棄物量の削減によりCO2約300万トンに相当する温室効果ガスの削減に寄与します。また、ドナウ川に流れ込んでいた汚染水は水処理設備により浄化され川に戻されることで、ベオグラードと周辺地域の環境・社会問題の解決につなげることができるのです。
まさに本事業はセルビア政府の今後の廃棄物管理政策の核を成すものであり、伊藤忠商事としてはこれを契機に、セルビアにおける廃棄物管理の仕組みや市民の廃棄物への考え方、リサイクルへの取組みが抜本的に変革されてゆくことを期待しています。


伊藤忠商事はESG先進企業として、このように本事業を通じ、企業行動指針にも掲げられている「無数の使命」を果たすべく、今後も環境・社会課題の解決に挑戦し続け、持続可能な地域社会の実現、地球環境への負荷低減に貢献してまいります。

*12016年推定値—World Bank: “What a Waste 2.0: A Global Snapshot of Solid Waste Management to 2050”
*2International Solid Waste Association: “A Roadmap for Closing Waste Dumpsite - The World's Most Polluted Places, 2016”

(参考) Beo Čista Energija社について
Beo Čista Energija社は、伊藤忠商事ならびに出資パートナーであるSUEZ社、マルガリータファンドが出資・経営する現地事業会社です。

参加イベント

  • ピッチリレー

    協賛企業がSDGsをはじめとする未来に向けた取組についてピッチを実施。

  • 企業コラボ座談会

    1時間半で2-3社の気になる企業により深く話が聞ける交流会パート。