SDGsから考えるキャリア選択とは
そもそもSDGsとは
近年誰しもが耳にしたことがあるであろうSDGs。その総称をSustainable Development Goalsといい、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。
SDGsは、2015年の国連サミットで加盟国の全会一致で採択されました。持続可能でよりよい世界を目指すため、国際社会全体が17のゴールとそれを具現化した169のターゲットの達成に取り組んでいます。
SDGsはなにを目指しているのか
SDGsの定める17のゴールには「貧困をなくそう」や「ジェンダー平等を実現しよう」といった基本的人権に関するものから、「気候変動に具体的な対策を」といった環境保全に関するものまで幅広く存在しています。これらのゴールがそれぞれ目指しているのが、次に挙げる5つのPです。
人間(People)・地球(Planet)・豊かさ(Prosperity)・平和(Peace)・パートナーシップ(Partnership)
人間や地球を守るとともに、経済的な豊かさや平和な世界の実現を目指したいとしているのです。そしてそのためには、国際機関、政府、企業、社会、市民など多様な参加者がグローバルにパートナーシップを維持・推進することが必要だと考えています。
より良い世界へ向け、ビジネス現場でも広がるSDGsの取り組み
2015年に採択されたSDGsは今や国際社会での注目度も高く、企業にとっても見過ごせないものとなっています。SDGsに積極的に取り組むことは投資家や顧客からのイメージアップにつながるだけではなく、従業員のモチベーション向上や採用ブランディングの一貫としても機能するのです。加えて近年では、SDGs×ビジネスといったテーマでの起業の成功例も増えてきています。かつてはボランティアというイメージが強かった社会問題解決のための活動も、SDGsの注目度の高まりと共にビジネスとして成り立ちつつあるのです。
教育現場を通じて若い世代にも注目されるSDGs
SDGsへの取り組みは企業においてだけなく、教育現場においても積極的に行われています。文部科学省が定める新学習指導要領(2020年度から実施)においても「持続可能な社会の創り手の育成」が明記され、社会科や家庭科などさまざまな教科でSDGsに関するページが盛り込まれました。大学教育においてもSDGsに関する学びは重視され、授業の中で取り上げられることも少なくはありません。実際にある大学の商学部では、「SDGsの達成につながるビジネスプランを考案する」といった授業が行われたりもしています。
キャリア選択にも影響を与えるSDGsへの取り組み姿勢
これからの未来を担う学生がSDGsを意識するようになることで、就職先の企業にもSDGsに対する積極的な姿勢を求めるようになってきています。株式会社ベイニッチが2021年に行った調査では、22卒の就活生のうち約7割がSDGsを認知しており、SDGsへの取り組み具合を企業選びの指標にしている例も少なくないといいます。これから長いキャリアをスタートさせようとしている学生にとって、企業が、ひいては社会全体が持続可能なものであることは欠かせません。SDGsへの感度の高い企業で働くことは、社会へ貢献しているということを実感しやすいだけでなく、自らのキャリアの将来性を確保する上でも重要なことなのです。
最後に
SDGsが制定されてから6年近くが経ち、政府や国際機関だけではなく、より多くの企業や個人が行動を起こしています。実現目標年である2030年までにこうした動きはさらに加速していくでしょう。
17のゴールを今一度確認し、自分の日々の生活や理想の将来像と結びつけ、できることから始めてみませんか。
近年ニュースなどで取り上げられることの多いSDGs。そもそも何のことを指しているのか、私たちの学業やキャリア選択においてどのような関係があるのか考えてみたいと思います。