住友商事が新卒採用に「デザイン選考」を導入ー前例のない選考を実施した背景とは
これからの総合商社で活躍するための「創造性」を重視
住友商事では、人材戦略について「Diversity&Inclusion〜多様な力を競争力の源泉に〜」というキーワードを掲げ、多様な考え方を受け入れることにより、新しい価値の創造を目指しています。また、第一線で様々ビジネスを展開する総合商社において、多様な価値観が問われる中、世の中のニーズを掴み、ビジネスに繋げていく力が不可欠であり「本質的な課題を発見できる力」を持つ人材が重要視されるようになってきています。ビジネスの多様化・高度化が進む中で競争を勝ち抜くために、多様な力を持つ学生さんを採用したいという考えがありました。しかし従来の面接では学生さんの「独自性」「創造性」といった能力をきちんと評価が出来ているかという課題感があり、今回このようなデザイン選考を実施することとなりました。
今回導入された「デザイン選考」とは?
デザイン選考とは、「ideagram」によるオンラインセッションとデザイン思考ワークショップの2段階の選考を実施するプログラムです。ideagramでは「アイデア創造」と「アイデア評価」という2つのオンラインアセスメントを受検すると、VISITS社独自のアルゴリズム(※)によりその人の創造性がスコアリングされます。その後、高スコアの学生さんを対象にデザイン思考ワークショップを実施し、社員とのワークを通じて創造性を観察致しました。
※特許技術
従来では採用出来なかった優秀な人材に出会うことが出来た
実際にこの選考方法で6名に内定を申し渡しました。面接では見抜くことができない創造性や独自性に秀でた優秀な学生さんを採用できたと感じています。また、ユニークな選考方式を導入したことで、選考プロセス自体に興味をもってくれた学生さんが多かったようです。今回は選考の中で社員を交えて半日がかりのワークを実施したため、会社の雰囲気を掴む良い機会になっただけでなく、一般的な面接が苦手な一方で優れた創造性を持つ学生さんにとっては大きなチャンスとなったようです。
今後の展望について
面接では見極められない能力を評価したことで日本の採用シーンに一石を投じることができたと考えています。社内では今回の選考プロセスを「攻めた人事」として評価する声も頂いています。今後も既存の価値観・手法にとらわれない「攻めた採用」を展開していきたいと思います。
住友商事株式会社は2019年6月より約2か月、新たな採用方法として応募者約1,200名を対象に、創造性を可視化するテスト「ideagram」を実施し、高スコアの学生を対象に創造性を観察・評価できるワーク型選考会を実施しました。この選考を通じて面接で出会う学生とは違った魅力を持つ6名の学生が社員として住友商事のメンバーに加わったそうです。前例のない選考方法を通じてどのような手応えがあったのでしょうか。