デザイン思考フェス2021キックオフイベントvol.3 サマリーレポート
SDGsに向けて企業が目指すゴールや、企業で働く人々のビジョン
今回は各企業様の紹介の後、その企業を選んだ理由/新たな価値を創造した経験/今後の目標/思考力を磨くために行っている事等について7社で座談会が行われました。
企業を選んだ理由については、「誰もが自分らしく生きれる街を作る」といった具体的な理由を持っていた方も、「自分が最大限成長して社会貢献したい」といった大きな夢を叶えられる環境があるといった理由で選ばれている方もいました。入社の理由は何であれ、皆さん実際に働き、その経験から今後の個人の目標を持たれていて、これこそが会社で働く上で原動力になっていると感じました。企業の未来への目標では、ビジネス的な観点だけではなく、社会課題を解決における目標も各社掲げていて、SDGsの考えが企業に浸透していることを実感しました。
実際に新たな価値を創造した経験では、商品開発から店頭に並べるまでのモノを生み出した経験から、人づくり組織作りといった面からの今までにない掛け合わせを通じた新しい価値創造の経験など、様々な面からの価値創造について聞くことができ、イノベーションとは小さなものの組み合わせから生まれ、新技術のことだけを指しているのではないことや、身近にイノベーションが起こっていることが感じられました。
また、思考力を磨くために意識していることとして、相手のことを自分ゴト化してニーズを汲み取る、考えたことを行動に移す、そしてこれを習慣化させるといった小さな事の積み重ねが挙げられていました。小さな疑問を常に考える姿勢を養うことが思考力が身につく鍵となること、そして既存のものの組み合わせでも全く新しい価値は生まれるため、幅広く学ぶ、経験するといった大学生活も思考力を磨くために大切な事だと実感しました。
デザイン思考を通じた「常識を疑う」体験
今回のワークショップでは1,2回目と同様にデザイン思考の背景についての説明や実際にアイデアを生み出す体験をしました。今回のワークショップは、アイデア創出の流れのうち、前提条件の洗い出しをする転換思考に特化しました。転換思考を簡単にご説明すると、以下になります。
・前提条件(バイアス)はイノベーションを起こせない原因の1つで、これが妨げとなり、ニーズがあってもありがちなものしか生まれなくなる。
・転換思考ではこれを取り除き、前提条件を書き換えることで誰も考えたことのないソリューションを生み出す。
・思いついた常識をひっくり返すだけでなく、ニーズも同時に満たさなければ、意味のあるアイデアは生まれない。
これらの考えを元に学生の皆さんにヒット商品がどんなニーズを満たし、どんな前提条件を書き換えたか、また今はないサービスについて考えていただきました。普段から「常識を疑う」ことはあまりないため、かなり難しいお題でしたが、オンライン販売や無線のイヤホンの例など多くの意見を挙げていただき、ニーズを忘れず、当たり前を否定して新しい前提に書き換えていく姿勢を学んでいただきました。
今後の社会でも何事もより楽しめる人材になるためには
今回のイベントを通じて、学びながら実際のビジネスでどう生きているか体感でき、会社の役割やその中で自分ができることに関しての理解が深まりました。単に言われた通り働くだけでなく、自分で考えて動く力や身近なところからイノベーションを起こそうと考える姿勢が今後の社会では必要不可欠だと思いました。
みなさんもぜひデザイン思考フェスに参加して、実際にアイデア創造の体験をすることで今後の社会でも活かせるような新しい気付きやきっかけを探してみてはいかがでしょうか。
基本情報
HELLO, VISITSは学生が自分と社会の未来を自由にデザインできる文化を作る機会を提供しています。これからの社会で求められる社会価値創造人材を発掘すべく、自分での目的、課題発見をする力をデザイン思考で養うことを目的としています。
デザイン思考とは創造的な問題解決の思考法であり、シリコンバレーで培われた考え方でGoogle、Facebookなどの世界の主要企業でも用いられています。
デザイン思考フェス2021は、次世代を担う社会価値創造人材の育成を目的として企業や学生と一緒に作るプログラムで、昨年は約一万人の学生が参加しました。これからの社会に求めれらるデザイン思考力テストの体験や、実際に複数の企業の話を聞き、どんな社会課題と向き合い、ビジョンを描くか、学生が自分の未来をもっとリアルに創造するためのプログラムです。今回は伊藤忠商事、三菱地所、パナソニック、凸版印刷、東宝、東京建物、三井化学が参加したキックオフイベントvol.3のサマリーレポートです。