企業の新常識 SDGsとデザイン思考の関係性

2022.02.15イノベーションジム事務局
#デザイン思考 #イノベーション #キャリア #Society5.0

「SDGs」という言葉を聞いたことはあるけれど、理解は曖昧だという方は多いのではないでしょうか。今回は2021年10月7日に実施された「デザイン思考フェス2021特別イベントDay1」から、SDGsを実現するためのデザイン思考についてVISITS Technologies株式会社CEO/Founderの松本の講演内容をご紹介します。SDGsとは何か、デザイン思考力やDXとの関係性などを確認していきましょう。

ーそもそも「SDGs」とは?


SDGs(Sustainable Development Goals)とは持続可能な開発目標のことで、2015年の国連サミットで採択された地球上のすべての人が取り組むべき長期目標です。17の世界的目標、169の達成基準、232の指標からできています。

SDGsの流れを加速させた要因の1つ「ESG」とは?
SDGsと似た考えで、ESGと呼ばれるものもあります。これは環境(Environment)・社会(Socity)・ガバナンス(Governance)の頭文字を取った言葉で、企業や投資家が取り組むべき長期目標を表しています。ESGにコミットしない企業は資本市場から締め出され、生き残れないと言われるほど、現在の社会では世界的にこれらの活動を支持する動きがトレンドになっています。

高まるSDGsへの関心
このようにESGの基準が資本市場で重要視され始めたことも後押しとなり、SDGs/ESGに向けた取り組みは企業の喫緊の課題となっています。これまでは、収益性の高いコア事業に加えてCSRのようなサイド事業の立ち位置としてESG/SDGsの活動を行う企業がほとんどでした。しかし今ではESG/SDGsに根差したコア事業で収益性を高めていこうとする企業が増えています。このことからも、ESG/SDGsに関連する活動への注目度が高まっていることがわかります。

ー現代社会に求められる企業のSDGs「SX」とは?


変化を続ける社会の中で多くの企業はDXを進めています。真のDXとは、業務のデジタル化にとどまらず、デジタル技術の活用により組織やビジネスモデルの変革を行い、新しい価値(社会価値やユーザー体験)を生み出すことです。

つまり真のDX人材とは、デジタル知識だけでなく、それらを活用して新しい価値を生み出すことができる人材です。つまり、デジタル技術やデジタルに対するリテラシーとデザイン思考力を兼ね合わせている人なのです。

企業の持続的な発展を支える「SX」
社会の持続可能性をSDGsと呼ぶように、企業の持続可能性を「SX(Sustainability transformation)」と呼びます。不確実性が高まる環境下で、企業が「持続可能性」を重視し、企業の稼ぐ力とESGの両立を図り、経営のあり方を変革するための戦略指針が「SX」です。AIの進化、新型コロナウイルスといった外部環境の急速な変化に負けないように、企業は急速なビジネス環境の変化を前提に様々なリスクを考えた経営を進めています。

「SDGs」と「SX」の関係性とは?
企業がSDGsに取り組むことで、企業の持続可能性が高まり、企業の持続可能性が高まるからこそ、SDGsの実現可能性が高まる。このようにSDGsとSXは互いに支え合う相互依存の関係にあるのです。

ーSDGsやESG、SXを支える「デザイン思考力」の重要性


ここまでに出てきた用語の関係性を整理すると、SDGsとESGを「SX」が支え、SXを「DX」が支え、DXを「デザイン思考力」が支えるという構図になっています。つまりデザイン思考力を身につけることによってDXを推進し、そして企業の持続可能性が高まる。それにより企業はSDGsに取り組むことができるようになるのです。

社会は急速に変化を続けているため、それに伴って会社や個人の価値観も変化しています。働く目的や会社の存在意義などの問いに対して、ただ単に収益を上げるだけでなく、社会課題を解決しようと動き出す企業が増えています。

SDGsからデザイン思考力まで全ては密接に関わっています。まず第一歩としてDXを支えるデザイン思考力を身につけることから始めてみてはいかがでしょうか。

ー最後に


今回はよく聞く用語のそれぞれの意味や関わりについて紹介しました。私もかつては、DXやSDGsを他の価値観と結びつけて考えることはなく、今注目されていて、実行している企業は評価されるというイメージを持っていたのが正直なところでした。

現在就職活動をしている方の中には、なぜ社会で必要とされているのか、自分自身はこのために何をすればいいのかなどと考えている人も多いのではないでしょうか。今回の記事を参考に、様々な企業の活動をSDGsやSXなどに当てはめて考えてみることで、企業から今必要とされているのはどんな人材か、これらの目標に自分はどう関わりたいかなど考えるきっかけになれば幸いです。


登壇者:VISITS Technologies株式会社
CEO/Founder 松本勝氏
プロフィール:
東京大学大学院工学系研究科修了後、ゴールドマンサックス入社。株式トレーダー、金利デリバティブトレーダーを経て、2010年に人工知能を用いた投資ファンドを設立。2014年に当社を設立し、人の創造性を可視化する「デザイン思考テスト」を独自技術(日米特許取得)により開発。また、企業向け意思決定DXツール「ideagram」等、企業のイノベーション・DX支援サービスを幅広く展開。

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