デザイン思考フェス2021特別イベントDay1 イノベーションドライブ・セッション

2022.02.15イノベーションジム事務局
#デザイン思考 #イノベーション #キャリア #Society5.0

「デザイン思考フェス2021」は、次世代を担う社会価値創造人材の育成を目的として企業や学生と一緒に作るプログラムで、昨年約一万人の学生が参加しました。今後の社会で求められるデザイン思考力を数値化する「デザイン思考テスト」を体験し、実際に複数の企業の話を聞くことで、どんな社会課題と向き合い、ビジョンを描くか、学生が自分の未来をよりリアルに創造するために開かれました。

今回は特別イベントDay1に行われた、パナソニック株式会社 執行役員/デザイン本部長 臼井重雄氏によるイノベーションドライブ・セッションについてご紹介します。

デザイン経営の潮流


デザイン思考を経営に活かす「デザイン経営」。近年名前をよく聞く人も多いのではないでしょうか。「デザイン経営」はプロダクトデザイン中心の考え方から発展して発生したもので、段階を経て大きく変容しています。

具体的には、顧客の潜在ニーズから課題解決を行っていくUXデザインを主とした「デザイン経営1.0」、さらにアートシンキングやビジョンデザインといったあるべき姿から考えていく「デザイン経営2.0」へと進化を遂げています。

また人々の価値観も、物質的豊かさ、個人の豊かさから関係性の豊かさへと時代と共に変化しています。

パナソニック流の「デザイン経営」


パナソニックでは「未来起点・人間中心」の考え方を大事にしてきた企業です。現状の延長線上や自社視点にとらわれず、社会にとって意味のある「実現すべき未来構想」を起点に現状とのギャップを明らかにすることを重視しているのです。

社会的意義・文化的意義・環境的意義に基づいた未来や次の世代にも引き渡したい社会の構想、共創パートナーが集うような目標を意識することで「意味のある未来」の創造に取り組んでいます。また、未来起点に加えて、「何が必要か」「どんな体験をしてもらうか」から考える人起点も大切にしています。

いま求められる人材


ビジネス、テクノロジー、クリエーションをもつ人材が求められています。それぞれ異なる専門性をもったメンバーが同じチームで協働することもあるため、必ずしも一人で全領域をカバーする必要はありません。しかし、自分の得意分野を伸ばすだけでなく、複数の要素を兼ね備えた「越境型人材」になれるよう、トライしていってほしいです。

多くの企業がビジネス・テクノロジー領域に強い人材を数多く必要とし、雇用している一方で、クリエイティブ力の重要性も臼井氏は指摘しています。未来が混沌としているからこそ、未来を切り開いていくための創造力が求められています。

登壇者:パナソニック株式会社
執行役員/デザイン本部長 臼井重雄氏

プロフィール:
1990年松下電器産業(現、パナソニック入社)。テレビ、洗濯機などのプロダクトデザインを手掛け、2007年から、中国(上海)のデザインセンター所長として組織を一から立ち上げ、現地発のデザインを生み出す集団へと成長させる。17年1月より京都拠点集約をはじめとする家電デザイン部門の変革を主導。2019年パナソニック全社のデザイン本部、本部長に就任。2020年アプライアンス社直轄部門にFLUXを設立。顧客起点のUX開発を主導。2021年4月より現職。100年を超える歴史を持つ同社初となるデザイナー出身の執行役員に就任。

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